これは、私の本業作業中の話です。
お客様宅に訪問すると、作業する部屋にロードバイクが置いてありました。
お客様は、60歳前後くらいの男性で、お話を聞くと数年前から自転車を始められたそうで、琵琶一のイベントにも参加されているそうです。
さて、本業に入り処理待ち時間にじっくりとバイクを見ていると、フロントブレーキシューが極端な逆トーイン(逆ハの字)になっており、センターも出ていない状態です。リアも確認すると同じような状態。ブレーキレバーを握ってみると左がフロントで右がリアです。
まず、ブレーキレバーのことを聞いてみると、「ロードバイクはそういう物と思っていた」とのこと。
ブレーキシューのことを聞いてみると、「一度外したことがあるが、ネジを締めればよいと思っていた」とのこと。
いろいろとお話を伺うと、どこで買われたかは教えていただけなかったのですが、メンテナンスにお店に行かれたことは一度も無いようです。雑誌やネットなどを元にご自分でメンテナンスされているようです。
私は、自転車店の仕事をしていることを説明して、
「雑誌やネットからの情報は限られた物であり、基本整備ができる人には有効な情報ですが、初めての場合は誤整備を起こす元です。それが原因でご自分が怪我をしたり命を落としたり、場合によっては他人までも巻き込んでしまう可能性があります。是非一度スポーツ車を扱っている自転車店へ行って、全体的にメンテナンスを受けてください」とお話しました。
お客様「あなた、詳しそうなんであなたに頼んでも良いですか」
私「自分の自転車は、自分でメンテナンスしますが、人様の自転車を触る自信と責任が持てないのでできません」とお断わりしました。
当店はマウンテンバイクがメイン(ロードバイクも取扱いしますが)ですし、遠かったこともあり、お客様の近くの老舗店をご案内しておきました。
今回のことは、珍しいことじゃ無く、残念なことに予想以上にある出来事です。
一番多いのは、ネット通販で自転車を購入して、自分でメンテナンスして乗っている。これもきちんと整備されて納車となっていたらよいのですが、中にはそうでない場合もあり、正常な状態も分からないなんてこともあるようです。
最近人気の長距離系のイベントでは、基本整備ができていない自転車でのトラブルが多くて主催者の悩みの種という話も聞きます。
当店のイベントでも、他店やネットで購入された参加者できちんと整備ができていなく、店長がツーリング中に整備することがあったりもします。
自分でメンテナンスすることは自転車の楽しみの一つではありますが、分からないことやできないことが起こった場合には、メンテナンスを頼んだり、方法を教えてもらったりできる主治医のようなお店を必ず見つけて、自転車を楽しんでもらえたらと思います。
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